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アストル・ピアソラ三部作 第三弾

「追憶、アストル・ピアソラ」

アストル・ピアソラを追悼する第三弾目。
そのファイナルは、駐日アルゼンチン大使、ダニエル・ポルスキ氏の「日本から最も遠い国のタンゴに、ピアソラに、これほど多くのお客様がいらっしゃることに感謝をして・・・」と、これからの交流にも希望を託した挨拶で始まった。
「ロスマレアドス」は多くのポルティーニョ(ブエノスっ子)に愛される古典の名曲、ご臨席の大使ご夫妻に捧げられ、ステージはオープンした。
アストル・ピアソラ三部作 第三弾_e0118827_21273456.jpg金沢で活躍中のバレリーナ、徳山華代さん。パリ留学中に、ピアソラ曲の振り付けを習ったこともあり、先ずは「忘却」を踊る。ピアソラの最も美しいメロディと云われ、リーダーの会田桃子さんのヴァイオリンと、鈴木崇朗さんのバンドネオンが別れの切なさを歌い、コントラバスの東谷健司さんが心の奥底を見透かしたように弦の低音部を叩く。静謐な孤独の踊り。未練と諦めがそうさせるのか、熊田洋さんのピアノがほんの僅かをこじ開けて、垣間見せるのが燭光のような望み・・・。
アストル・ピアソラ三部作 第三弾_e0118827_2128310.jpg次は、濃艶なダンスカップルの、ブエノスアイレスのタンゲリアを思わせる妖しげな親密に変わる。ルベンとマキコの息の合ったダンスに見惚れるお客様。足の絡みとステップの絶妙に思わずため息が出たのは、古典の名曲「ガジェシェゴ」だった。
演奏者とダンサーたちを包み込み、ピアソラが眠る墓漂に被さるのと同じサウセス(柳)のオブジェは、模した竹が照明の絶妙で、果敢な赤や、追憶の白に変わって、ユリが竹の足元にひっそりと佇んでピエタのように横たわる。
めくるめくタンゴとダンス。

「リベルタンゴ」のフィナーレまでを一気に駆け巡った。
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ミュージック工房・工藤文雄

by artvillage | 2007-07-12 21:39 | ミュージック  

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