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アストル・ピアソラ三部作 第二弾

「ブエノスアイレス迷宮」
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天井から吊るした陶布と、赤い灯かりを入れた陶布の器に咲く怪しげな花が迎えてステージは始まる。
タンゴは港町で生まれた。南米が生んだ詩人、ボルヘスの「船旅」。波の音のさざめきに導かれるように全員の朗読から船出、タンゴ四重奏団、エスタモス・アキの演奏が絡む。

アストル・ピアソラ三部作 第二弾_e0118827_1819141.jpgドラマ工房の演劇人たちが迎えるゲスト、俳優座の長浜奈津子さん。さまざまな挿入演奏、ピアノとコントラバス、バンドネオンとヴァイオリンなどの即興がさらにもつれるようにして朗読者4人と絡んだ。ときに曲演奏でブエノスアイレス午前零時のような静寂を醸し出し、場面が変わって蝋燭の明かりを持って全員が登場すると、スモークで視界が霞んだ。するすると黒幕で隠されていた鏡が現れて、迷宮は佳境に入る。
ボルヘスの詩は「夢魔」から、「鏡」三題へと。怪奇文学の巨匠といわれる言葉の魔術にさらに妖気が増してクライマックスへ。朗読は再びユニゾン、冬から始まった季節は、いつの間にか「ブエノスアイレスの夏」に巡っていた。

アストル・ピアソラ三部作 第二弾_e0118827_18193426.jpg二部はピアソラの盟友、オラシオ・フェレール作詞の歌と演奏。タンゴオペリータの「ブエノスアイレスのマリア」から、「私はマリア」を取り出すと、歌声に街が呼応するように弾む。なんともブエノスアイレスは妖しさを増して聴くものを取り込んだ。

「エスタモス・アキ(私たちは此処に居る)」の田辺さん、金益さん、奈津子さん。ゲストの古橋ユキさん、斎藤徹さん。ドラマ工房の東 修さん、千絵さん、市川幸子さん、素敵な熱演に感謝!ありがとうございました。

ミュージック工房 工藤文雄

※7月8日(日)はいよいよアストル・ピアソラ三部作 第三弾
 「追憶、アストル・ピアソラ」の公演です。
 皆様ぜひ足をお運び下さい。

by artvillage | 2007-07-01 18:28 | ミュージック  

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