ミュージック&パフォーマンス&インスタレーション「みえない壁~創造と破壊~」
2011年 01月 28日
2010年12月5日芸術村ミュージック工房にてミュージック&パフォーマンス&インスタレーション「みえない壁~創造と破壊~」を公演いたしました。
芸術村の3つの柱でもあるミュージック、ドラマ、アートが、それぞれ特有の表現方法を融合させた芸術作品を創造し、発信することを目的として公演を開催いたしました。ミュージック工房が中心となってドラマ工房とアート工房とともに企画、運営を行ないました。
芸術表現の現場においては、演者(あるいは作品そのもの)という「表現者」と、観客や聴衆という「鑑賞者」がいてはじめて作品は成立するものです。そして、表現者と鑑賞者の間にコミュニケーションが成立してこそ、そこに新たな意味を持ちます。もし、表現者と鑑賞者の間にコミュニケーションを阻害する「みえない壁」があったなら…。舞台と客席の間に展開されるギャップやズレ、違和感。またあるいは美しい調和。それらを通じ、表現者・鑑賞者の双方にとって「表現とは何か」ということについて問う作品を創りました。
表現者と鑑賞者のあいだにあるものを考えてみてください。
第一部 「みえない壁~創造と破壊」
佐野観氏のピアノ演奏が静かにはじまりました。
演奏の途中、どこからともなくステージの上に花束をもった人が現れました。舞踏家の山本萌氏です。静かに演奏を聴き入っています。
演奏は佐野観氏のオリジナル楽曲を含む2曲の演奏の後、完全即興演奏となりました。山本萌氏はステージと観客との間で縦横無尽に身体表現を続けます。
しばらくするとステージ脇の瓦礫を積みはじめました。どんどん積み上げてステージと観客との間には両者のコンタクトを阻害する大きな壁が創造されました。
佐野観氏は外で展開されている状況を把握できないまま、自分の世界に閉じこもり、演奏を続けました。
外では、山本萌氏と前伊知郎氏の映像を使ったインスタレーションが繰り広げられています。
壁に映し出された水面。スイスイと泳いだり...。森の中で自由に踊ったり。音楽とは関係なく繰り広げられるそれぞれの表現。
その後、音のエネルギーが爆発し、壁が破壊されました。瓦礫が散らばる中、開放された心のままに佐野観氏の演奏が会場に響き渡りました。
第二部 「瓦礫の中で」
創造された大きな壁は破壊され、そこに散らばった瓦礫の中でコクシネルの演奏が始まりました。なんだか緊張感から開放された感じで観客もリラックスし、微笑む様子も伺えます。
再び、山本萌氏が登場しました。コクシネルの楽曲とコラボレーションしています。コクシネルと一緒に演奏しているようにも見えます。
あっ!瓦礫に埋もれていく...
瓦礫には幾何学的な模様が映し出されています。会場全体が大きな美術作品のようです。そこにいる観客も作品の一部なのでしょうか。
演者と鑑賞者はお互いに何を考え、何を感じているんでしょうか?何を伝え、何を受け取るのでしょうか?そんなことをお互いに自問自答しながらコミューニケーションをとることで、はじめて意味のある表現、そして価値のあるものになるのではないでしょうか?
そういった演者と鑑賞者の「あいだにあるもの」が今回、我々が表現したかったものです。
最後に、この公演が無事に終了できましたことをこの場をかりて感謝いたします。ミュージック工房、ドラマ工房、アート工房とともに企画、運営を行なうことで、フィールドのことなる現場での創造活動や表現活動を知るよい機会になったと思います。また、この企画を通じて様々な出逢いや交流がありました。
これからも3工房のつながりを大切にしていきましょう。そし
て、それぞれの創作活動に励んでいきましょう。
ミュージック工房ディレクター 藤本美和
芸術村の3つの柱でもあるミュージック、ドラマ、アートが、それぞれ特有の表現方法を融合させた芸術作品を創造し、発信することを目的として公演を開催いたしました。ミュージック工房が中心となってドラマ工房とアート工房とともに企画、運営を行ないました。
芸術表現の現場においては、演者(あるいは作品そのもの)という「表現者」と、観客や聴衆という「鑑賞者」がいてはじめて作品は成立するものです。そして、表現者と鑑賞者の間にコミュニケーションが成立してこそ、そこに新たな意味を持ちます。もし、表現者と鑑賞者の間にコミュニケーションを阻害する「みえない壁」があったなら…。舞台と客席の間に展開されるギャップやズレ、違和感。またあるいは美しい調和。それらを通じ、表現者・鑑賞者の双方にとって「表現とは何か」ということについて問う作品を創りました。
表現者と鑑賞者のあいだにあるものを考えてみてください。
第一部 「みえない壁~創造と破壊」
佐野観氏のピアノ演奏が静かにはじまりました。
演奏の途中、どこからともなくステージの上に花束をもった人が現れました。舞踏家の山本萌氏です。静かに演奏を聴き入っています。
演奏は佐野観氏のオリジナル楽曲を含む2曲の演奏の後、完全即興演奏となりました。山本萌氏はステージと観客との間で縦横無尽に身体表現を続けます。
しばらくするとステージ脇の瓦礫を積みはじめました。どんどん積み上げてステージと観客との間には両者のコンタクトを阻害する大きな壁が創造されました。
佐野観氏は外で展開されている状況を把握できないまま、自分の世界に閉じこもり、演奏を続けました。
外では、山本萌氏と前伊知郎氏の映像を使ったインスタレーションが繰り広げられています。
壁に映し出された水面。スイスイと泳いだり...。森の中で自由に踊ったり。音楽とは関係なく繰り広げられるそれぞれの表現。
その後、音のエネルギーが爆発し、壁が破壊されました。瓦礫が散らばる中、開放された心のままに佐野観氏の演奏が会場に響き渡りました。
第二部 「瓦礫の中で」
創造された大きな壁は破壊され、そこに散らばった瓦礫の中でコクシネルの演奏が始まりました。なんだか緊張感から開放された感じで観客もリラックスし、微笑む様子も伺えます。
再び、山本萌氏が登場しました。コクシネルの楽曲とコラボレーションしています。コクシネルと一緒に演奏しているようにも見えます。
あっ!瓦礫に埋もれていく...
瓦礫には幾何学的な模様が映し出されています。会場全体が大きな美術作品のようです。そこにいる観客も作品の一部なのでしょうか。
演者と鑑賞者はお互いに何を考え、何を感じているんでしょうか?何を伝え、何を受け取るのでしょうか?そんなことをお互いに自問自答しながらコミューニケーションをとることで、はじめて意味のある表現、そして価値のあるものになるのではないでしょうか?
そういった演者と鑑賞者の「あいだにあるもの」が今回、我々が表現したかったものです。
最後に、この公演が無事に終了できましたことをこの場をかりて感謝いたします。ミュージック工房、ドラマ工房、アート工房とともに企画、運営を行なうことで、フィールドのことなる現場での創造活動や表現活動を知るよい機会になったと思います。また、この企画を通じて様々な出逢いや交流がありました。
これからも3工房のつながりを大切にしていきましょう。そし
て、それぞれの創作活動に励んでいきましょう。
ミュージック工房ディレクター 藤本美和
by artvillage | 2011-01-28 21:48 | ミュージック