<   2007年 11月 ( 8 )   > この月の画像一覧

 

読まれ、演じられ、そして踊られる・・・「兵士の物語」

兵士の宝物、心のよりどころのヴァイオリンと、欲の権化、悪魔が持つ本のお話。

ロシアの民話とはいっても馴染みは薄いので、先ずは分かりやすい物語に変えるための脚本を手掛けた頃はまだ暑い夏だった。が、季節はすっかり初冬、ロシアの厳寒ほどではないものの暖冬になれた体に沁みる寒さはどこかこのストーリーに似ていると感じないではいられない朝を迎えた。
ドラマ、アート、ミュージック3つの工房が初の共同制作をする公演準備は整い、出演者、スタッフの挨拶もどことなく緊張感が漂う。
それでも、受付、会場ともに、3工房のディレクター、サポートスタッフの皆さんが勢ぞろいすると頼りがいのある安心感に繋がり様相は一変した。
さあ、お客様のお出迎え!

第一部
始まりは、オーケストラアンサンブル・金沢のメンバーによる、バッハの「2声のインヴェンション(全15曲)」。そもそもは練習曲、それもピアノの。
e0118827_22363750.jpg

それをヴァイオリンとコントラバスでやろうという趣向だ。終わるとビブラフォンが加わって、ピアソラのミロンガ・アン・レ。オブリビオン(忘却)では、管楽器も揃ってストラヴィンスキーの「兵士の物語」の布陣7人全員登場して、世界的にヒットした切ないメロディを奏でて2部へと誘う。

第二部
いよいよストラヴィンスキーの「兵士の物語」。客席に向って構えた兵士の銃から切り裂くような銃声が響くと始まり、始まり・・・、演奏と朗読が心地良く絡み合って見聞きするものを引きつける。
e0118827_22384062.jpg


悪魔は絶妙の誘いで兵士を翻弄し、臆病な心を弄ぶ。何度も重ねた稽古で呼吸は充分、ナレーターに誘引されるお話に王女が絡み現代とも交錯する展開にしてある。




e0118827_22391912.jpg

深層を表すのは高く吊るされたオブジェで、モノトーンの立体が渾身の照明を浴びて妖しく心理を描写、色の変化はとことん観るものを魅了する。あるときは激しく、あるときは冷めた閉ざされた色合いで。後半の3つの舞曲からはバレエダンサーも加わり、引き籠った心を解そうと「救うのは、幸せをもたらすのは音楽!」とばかりに華麗にタンゴ、ワルツ、ラグタイムを舞う。
e0118827_2240527.jpg
束の間の穏やかのあと、再び兵士と悪魔の熾烈な闘いが始まり、物語は一気にクライマックスへ・・・。


勝ったのは兵士、それとも悪魔?勝敗は観る人によってさまざま、取りようもさまざま、感じたままの世界を投げかけるようにして、悲鳴と高笑いが会場に広がる。
お越しいただいたお客様の、どこか心の片隅に置いてもらいたいと思うのはたくさんの教訓めいたキーワード、謎のままに終わるもよし、分からないのもよし、意図は受けた皆さんのものになるのだから・・・。

長い稽古、体を張ったオブジェ制作と共同制作は日々時間と都合の闘い。ホッとするのも束の間、直後のディレクター会議で来年からも継続して企画することが決まった。今度はアート工房が中心となって。
たぶん、決め台詞は「救うのは美術、幸せをもたらすのはアート!」ということにでもなるのだろうか・・・。

e0118827_2241593.jpg

ミュージック工房ディレクター・工藤文雄
[PR]

by artvillage | 2007-11-28 22:58 | ミュージック  

アート工房ディレクターにきいたストラヴィンスキー「兵士の物語」

今回の舞台は戸出Dr・渡辺Drが中心となって担当されるということですが、専門分野(戸出Drは陶芸、渡辺Drは彫刻)と異なる舞台美術分野の制作ですが。e0118827_9452441.jpg
















スタンスの異なる3工房の共同制作という初めての試みで緊張しながら作品を作っています。今回2人にとって初の舞台デザインなので、これでいいのかと思考錯誤しながら制作中です。2人にとっても、3工房にとっても共同で制作することがない分野なのでふたを開ける楽しみがわいています。
 
現在の進行状況は   

 白と黒の板を制作中。曲や朗読を理解しながら天使と悪魔、善と悪をモチーフに揺れ動く心情を舞台で表現できたらと思っています。今から、照明なども加わり、どんどん進化していくと思います。

 ストラヴィンスキー「兵士の物語」の舞台美術ということで特に気をつけていることはありますか

音楽や朗読、踊りがメイン テーマにそった舞台デザインで全般を通して邪魔にならないよう且つ、表現者と一体となれるようなアートにしたい

ここがすごい!ここがみどころを戸出Dr・渡辺Drの目から教えてください

(戸出Dr)まだ制作初期のためどうなるかわからないところもありますが、場面展開・照明にこの作品が融合されると思うとわくわくしています。

e0118827_947238.jpg















(渡辺Dr)専門の舞台業者さんが作成する舞台ではなくアート工房としてとして舞台をアート作品にすることにチャレンジしたい。
e0118827_9462582.jpg



























ただいまアート工房では「兵士の物語」の舞台制作に両ディレクターとも取
組んでいます。低予算でのやりくりが大変です・・・・ともお話していました。
 <kado/ photo: takasaka>
                        

[PR]

by artvillage | 2007-11-20 09:52 | アート  

ワールド・トレード・センター

今週末、ドラマ工房で劇団燐光群による、坂手洋二作・演出
「ワールド・トレード・センター」が上演されます!

舞台写真はこちら!
e0118827_16930.jpg


e0118827_163271.jpg



坂手さんには演出家ワークショップの講師をお願いしたり、一昨年には「屋根裏」を上演されたりと、芸術村としてもこれまでにも何度かお世話になっています。
そして今年も劇団夢宇人の黒田さんが中心となって「かなざわ燐光群を観る会」を立ち上げ、ドラマ工房での上演が実現しました。

公演の詳細は以下の通りです。

日時:11月24日(土)19;00~
       25日(日)14:00~
会場:金沢市民芸術村ドラマ工房
入場料:前売2500円、当日3000円
     高校生以下2000円

金沢市民芸術村のホームページにチラシが載っています!

ドラマ工房も共催事業としてお手伝いするほか、燐光群公演をもっと楽しむ企画を準備させていただきます。

まず24日の上演後には坂手さんと、地元12EXの浅井慶さん、それから井口の3人によるアフタートークを行います。今観たばかりのお芝居について、浅井さんと井口が坂手さんにいろいろ話をうかがおうと思っています。隠れた見所や制作の裏話などもあるかもです。

そして25日上演後は燐光群のみなさんとの交流会です!!
こちらは500円と有料ですが、簡単な食事と飲み物(お昼ですからソフトドリンクです。車でお越しの方も大丈夫です!)をご用意させていただきます。みんなでワイワイ楽しい時間を過ごしましょう。

みなさま、ぜひご来場ください!


ドラマ工房ディレクター 井口時次郎
[PR]

by artvillage | 2007-11-20 01:12 | ドラマ  

「ストラヴィンスキー 兵士の物語」公演にむけて

ミュージック工房 工藤ディレクターにお話を伺いました。
工藤Drストラヴィン公演へかける熱い熱い思いをUPしたいとおもいます。e0118827_12363934.jpg


~公演を開催しようと思ったきっかけは~

かねてよりサン=シュルピス聖堂壁画、ドラクロワ晩年の傑作「ヤコブと天使の闘い」に惹かれ、孤独・疎外・欲望が描かれるストラヴィンスキーの「兵士のものがたり」が思い浮かんだ。偶然OEKメンバーと雑談中、(工藤Drが)大ファンであるアストル=ピアソラがストラヴィンスキーの楽譜を座右にしていたという話から盛り上がり、公演のプロットができあがった。


~ストラヴィンスキーとは~ 

(1882―1971 ロシア)初期の三部作「火の鳥」「ぺトルーシュカ」「春の祭典
はバレエ音楽として有名。
  ロシア革命では国に財産を没収されスイスに移住。時の権力に翻弄され生きてきた背景が音楽に反映され今なお、色彩派の巨匠としての評価が高い。


~今回ドラマ・ミュージック・アート工房共同での開催ということですが~

  朗読・演出をドラマ工房、舞台美術をアート工房、演奏・バレエはミュージック工房と各分野が協力すればクオリティの高いものが完成するのではとおもいます。

e0118827_13105126.jpg
 現在、風李一成所村佳子第七警察と個性派の役者がそろい、ロシア民話を題材とした朗読の練習中。ドラマ工房の井口ディレクターによる演出は緊迫感が漂い順調な仕上がりになってきている。
e0118827_13114610.jpg



~プロデュースする立場の工藤DRとして~

  それぞれの工房が持つ“美”を意識すること。企画者はつなぎ役と考え個々の得意(特異)をうまく生かし調整し、この作品を仕上げたい。 楽しさや寂しさ、当時のストラヴィンスキーの心情に興味を持ちつつ作品をつくりたい。


~最後に 「兵士の物語」のみどころを聞かせて下さい~

 景色や心情が見え隠れする音楽劇。
風李一成さんの悪魔は凄い。のり移ったのではないかと思わせるほどの迫力。後半にかけて必死に戦うギャンブルシーンは必見
 また、所村佳子さんの王女・執事など一人変化は怪しげで魅力的になっていて可愛い。
「3つの舞曲」ではやさしいバレエあとに続く悪魔の激しく荒れたダンス。のバレエが音楽にのって繰り広げられる。
 ラストに近づくにつれOEKの演奏は迫力を増し、時に静かに流れ、音に乗せて聞こえる言葉は・・・・・・。 
 ラストまで、見逃せない聞き逃せないストラヴィンスキー「兵士の物語」必見です。
                                  <kado>
[PR]

by artvillage | 2007-11-17 13:20 | 紹介します  

第2期ボーカルクリニック終了

 9月4日(木)からスタートした講座「ボーカリストのためのボーカルクリニック」が11月8日(木)に無事終了しました。
 今回は内容を充実させるために人数を限定して、11名で行い、全体での基礎的な発声指導を含め、個人の能力に合わせた指導という内容でした。受講生は16歳の高校生から、50代の方まで幅広い参加があり、それぞれに成果はあったようでもっと期間を長くしてほしいという要望もありました。



e0118827_2215021.jpge0118827_2285927.jpg


e0118827_22165567.jpge0118827_222269.jpg



 来月12月9日には成果を試すためのステージ、「ザ・ヴォーカリスト」に皆さん出演されます。皆さん頑張ってください!
ミュージック工房ディレクター・新谷美樹夫
[PR]

by artvillage | 2007-11-15 22:19 | ミュージック  

表現ワークショップ「土で遊ぼう2(絵付け)」

今回(11月13日10:00~12:00)は前回の「土で遊ぼう」で作った陶芸作品に絵付けをしました。
e0118827_1472432.jpg

e0118827_1482415.jpg
戸出ディレクターから絵付けの仕方や技法の説明をうけ、さっそく開始♪
聞いた技法のすべてに挑戦する子や、きれいに絵を描く先生、陶芸に心得がある先生も没頭☆

またまた焼上がるのが楽しみです♪


後半は表現ワーク☆
e0118827_14122021.jpg
手つなぎオニで体をあたためてから、次は村内で出会った人を模写し合ってあてっこします。
e0118827_14155484.jpg


みんな、とっても上手!
「あ!あの掃除をしてた人だ!」「いたいた!ギターをひいてた人だね!」と、どんどんあてていく☆


e0118827_14251612.jpg


またまた今日も感動をもらいながら楽しい時間を過ごしました☆




文・ドラマ工房☆キッズ☆クルー代表 所村 佳子
写真・アート工房アートアンツ 北出 まり子
構成・アート工房ディレクター 渡辺 秀亮
[PR]

by artvillage | 2007-11-14 14:38 | アート  

西川信廣俳優ワークショップ

11月10・11日の2日間にわたって、「お~い幾多郎」「夢二」などの演出でお世話になった西川信廣氏による俳優ワークショップが行われました。
今回のワークショップは2日間通しの参加限定、テキストも前もって参加者に配布されていることもあり、どんなワークショップが展開されるのかと待ち望んだ講座でした。
顔なじみの方、新しい方、バラエティにとんだ参加者の方々が集まりました。

1日目はテキストを参加者で役がらをまわしながら読むことからスタート。
テキストは「動員挿話」。明治時代が舞台の2幕もので、これがなかなか面白い。役者としてはぜひやってみたい魅力的な役柄が並ぶ脚本。
e0118827_092136.jpg
個人的に具体的なアドバイスがあったり、みんなに「この役を演じるにあたって何が必要なのか」と質問してみたり、実践的な内容で講座は進んでいきます。後半は椅子に座って向かい合ったり、立ってみたりと、より自然な会話が出来る方法論について展開していきました。
最後まで読んでこの日は終了しました。休憩なし延長の3時間超。
さて明日も楽しみです。

2日目はまず身体を動かすことから。10時スタートですからね~。ココロもカラダも起こさないといけません。西川さんのストレッチは集中と緩和のためのもの。ガチガチなトレーニングではなく、ユルユルと身体の緊張をほぐしていきます。
それが終わったら簡単な舞台を組み始めました。
e0118827_0201985.jpg
前日にくじ引きであらかじめ分けたチームごとに同じシーンを作っていきます。
イメージとしては荒立ちもしくは半立ち稽古といったとこ。
同じシーンを別の人が別の組み合わせでやっていくので、それぞれが違っていて面白い。個人のキャラクターを活かしつつ、このシーンに必要な状況をうまく捕まえさせていく。もちろん人が代われば違ってみえるのは当然だけども、どの人も不思議とはまっていくんだなぁ。ある意味西川氏の力でもあるのだけれど、本質は「役者がそれを自分でつかみ取る」こと。その方法論をいくつも提示していく。

あっという間に時間は経ち、2日目も延長。
でももっともっと深くまでやりたいと思える内容の講座でした。
2日間で6時間では全然足りない内容を楽しく分かりやすく指導してくださった西川さん。
ありがとうございました。

こんな実践的な講座は1回きりではなく、継続してやって欲しいものだと感じた2日間でした!


                                 講座担当者 K
[PR]

by artvillage | 2007-11-11 22:00 | ドラマ  

芽生え展 開催中

現在、アート工房では「芽生え展~交感する種Vol.2より~」が開催中です。
昨年の「交感する種展」において、市民投票により選出された、川阪由利子、出村好乃美、宮長弥、以上若手作家三名の展覧会です。
11月6日(火)迄なので、皆様ぜひご高覧ください。
                  -川阪由利子の平面作品-
e0118827_14411331.jpg

                 -出村好乃美の立体と平面作品-
e0118827_14412979.jpg
 
                  -宮長弥の陶とライトの作品-
e0118827_14414117.jpg


e0118827_14523143.jpg

川阪由利子氏は、会期中ずっと公開制作をしています。
作家の“生”の声が聞けますし、作品が変化し続けていきます。初めの頃にご覧になった方も、ぜひまた見にきてください。



e0118827_1514099.jpg
e0118827_1523089.jpg








幼稚園の子供たちも楽しそうに見ていきます。
ぜひ11月3・4日の連休は芸術村に遊びに来て、「芽生え展」にお立ち寄りください。

                          アート工房ディレクター 渡辺 秀亮
[PR]

by artvillage | 2007-11-01 15:13 | アート